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パートのこんな活用法

社員一人ひとりの業務範囲を広くすれば、少ない人数でもその時その時で変動する業務の内容・量に対応できます。
店で考えると、レジが空いている時はレジ担当者の何人かが商品補充や売場づくりの業務にまわり、レジが混み出せばレジ担当者はもちろんのこと、売場担当者もレジの応援に入る、または他部門の商品に関しても接客を行なうなどです。 このように「多能化」することによって、機動的に人員を配置させることが可能になります。

しかし、「多能化」を実現させたからといって、黙っていてもこの機動的人員配置が実現できるかというとそうではありません。 なぜならば、「誰でもできる」という状態は、店で働くパート社員の心理からすると、「誰かがやる」という状態でもあるからです。
「多能化」をすすめると、複数の人間で同じ範囲の仕事に対して責任が課せられることになります。 ところが、自分一人の責任ではないため、へたをするとお客様への対応がいい加減になったり、遅くなったりします。

実際、私がおうかがいしている企業でも、「多能化」をすすめる段階で必ず発生する問題なのです。 たとえば、ある150坪の酒販店でも同じような事がありました。
その店は現在、倉庫の責任者を除いた残りの社員で店内の業務をすべて行なうようになっています。 商品の補充、売場づくり、レジ、ギフト包装、空瓶対応など、全員がほぼ同じレベルで業務を行なえるようになっているのです。

その時その時の店の状況に合わせて、忙しい箇所へ人員を配置できるし、誰が休んでも業務に支障がないという点では、まさに狙いどおりのことが実現しました。 しかし、多能化をすすめていく途中で、次のような事態が発生しました。
それは、社員の意識の中に、「自分がやらなくても誰かがやってくれる」という意識が芽生え始めたのです。 レジが混み始めてもレジのフォローになかなか入らない、売場で乱れている所は誰も手直ししないなど、見て見ぬふりをするという現象が現われたのです。
たしかに、誰でもできるということは、「私がやらなくちゃ!」という責任感が薄れるため、どうしても対応が鈍くなります。 その解決策としてこの店では、「レジコントローラー」という役割をつくりました。
「レジコントローラー」は、判断力に優れた社員の何名かが交替で行なうのです。

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